アナボリックステロイドホルモン(Anabolic steroid)は、筋肉増強剤、ドーピングに使用されるステロイドホルモンである。蛋白同化ステロイドとも呼ばれる。多くは人工的に作られたテストステロンの合性誘導体(男性ホルモン類似物質)です。
ステロイドホルモンは、男性ホルモンの蛋白同化作用を強める働きがあり、蛋白同化とは摂取したタンパクを筋肉に変える働きのことである。筋肉増強を期待してプロ・アマを問わず多くのスポーツ選手が使用しています。
しかしながら、筋肉増強剤としての副作用が生じやすく、場合によっては肝障害など重大な内臓疾患に至るものもあるので注意が必要です。肝障害は内服ステロイドで起きやすく、その他、高血圧、高コレステロール血症の上昇、HDLコレステロールの低下により心血管系の病気を誘発する原因ともなる。特に「心臓の運動」となる有酸素運動と組み合わせると、顕著な心肥大を起こさせるので注意が必要である。有名ランナーや自転車競技の選手が数多く心疾患で死亡している。
精神障害にも注意が必要であり、具体的には攻撃性の上昇・いらいら感・うつ病・依存症等の発症が報告されています。
その他顕著な書状として、ニキビの発生、女性か兆候が見られます。
【アンチエイジングとの関係】
中高年世代にとって運動不足は分かっていてもなかなか解決できない問題です。身体の内部的に見ても基礎代謝量が減ってきて、同じ食事をしていても体重が増える、ウェストサイズが大きくなる・・・。昔、鍛えていた自慢の筋肉もだんだんと落ちてきます。得意のスポーツをやってもすぐに足がもたれ、「こんなはずでは??」と焦ってしまいます。そして「メタボリック症候群」「メタボ」などの言葉に敏感になってくる?
もし、ちょっとの努力で筋力・体力が戻ってくるとしたら、それはもしかして革命的な「アンチエイジング」といえるでしょう。例えば、アナボリックステロイドを服用して、週に1回程度ジムでのトレーニング、そして、家で簡単な運動(腕立てや腹筋 等)をするだけで、みるみるうちに筋力・体力がついてきます。厚い胸板や三角形の上半身、ぷっくり膨れた上腕・・・。20歳代の頃の体格に戻るのも難しいことでは有りません。週に3、4回の本格的なトレーニングは難しくても、週1回程度であればなんとか時間を作れませんか?
そして、ちょっとマッチョな「チョイ悪おやじ」と呼ばれませんか?
もちろん、服用に際しては専門家からのメニューアドバイスが必要となります。
アナボリック・ステロイドはなぜ筋肉増強効果があるのか?
テストステロンには蛋白同化作用がある。テストステロンが筋細胞にあるアンドロゲンのレセプターと結合することにより、蛋白同化作用が起こる。
通常の状態では、骨格筋のレセプターは、自然に分泌されるテストステロンで満たされている。よって通常の状態ではアナボリック・ステロイドを使用しても筋肉の発達にはほとんど効果がない。
ウエイトトレーニングをすると、骨格筋にあるレセプターの数が増加する。増加したレセプターは自然に分泌されたテストステロンと結合し、その結果筋肉は大きくなる。しかしさらにトレーニングを続けていくと、自然に分泌されるテストステロンでは、増加したレセプターを満たすことができなくなる。この段階になると、筋肉の成長する速度が鈍くなってくる。
この状態でステロイドを使用すると、それまでテストステロンと結合できないでいたレセプターがステロイドと結合し、蛋白同化作用が起こる。そして自然な状態ではありえない大幅な筋量の増大を得ることができるのである。
アナボリック・ステロイドはなぜ筋力増強効果があるのか?
アナボリック・ステロイドには筋肉自体を増加させる効果があるので、筋力も増加するのは当然である。しかし、アナボリック・ステロイドを使用している最中は、実際の筋肉の増加以上に筋力が増加する。
ステロイドには、筋細胞中のグリコーゲンとクレアチンリン酸(CP)の貯留を増加させる効果がある。グリコーゲンは筋肉が収縮するためのエネルギー源となる物質である。グリコーゲンが解糖分解されることにより、ATPが生成・供給される。ATPは筋肉が収縮するための直接のエネルギー源になる物質で、筋細胞中に蓄えられている。ATPがADPに変わる時にエネルギーが放出され、そのエネルギーが、筋肉が収縮するために使われる。ADPがATPに戻るのにはCPが必要となる。CPがたくさんあれば、それだけADPがすばやくATPに戻ることができる。つまり、筋細胞中のグリコーゲンやCPが増えれば、筋肉そのものは大きくなっていなくても、筋力、筋持久力が向上するのである。ただし、この効果があるのは、ステロイドを使用している間だけである。
ステロイドには攻撃性を高める効果がある。この精神的効果により、より大きな筋力を出すことができる。精神的効果が持続するのは、ステロイドを使用している間だけである。
Q1. 副作用のない筋肉増強剤はありますか?
副作用のない筋肉増強剤はありません。
Q2. ステロイドでつけた筋肉は、ステロイドをやめるとすぐに落ちてしまうと聞いたのですが本当ですか?
間違いです。そもそもステロイドユーザーでも1年中ステロイドを使っているわけではありません。数週間使用しては数週間使用しない、というのを繰り返しています。このことからも、ステロイドをやめたら途端に筋肉が落ちてしまうというのが間違いだとわかります。
ステロイドで筋肉を増やしても、自然に分泌されたテストステロンで維持できるレベルであれば、ほぼ維持することができます。ですから通常5年で到達できるレベルの体に、ステロイドを使用して2年で到達した場合、ステロイドの使用をやめてもその体を維持することはできます。プロボディビルダーのように、自然に維持できる筋量を大幅に超えている場合は、ステロイドの使用停止により徐々に筋量が落ちていきます。
ステロイドのサイクルが終了した直後の、テストステロンの分泌が極端に減少している時期に適切な処置をしないと、筋量が大幅に落ちてしまうことはあります。またステロイドの副作用による水分の貯留がなくなった結果、筋量が落ちたように見えることはあります。
Q3. ドーピングテストで検出されない筋肉増強剤はありますか?
現在のドーピングテストでは、成長ホルモンは検出できません。
Q5. ステロイドを使用してはいけない人、使用しないほうが良い人はいますか?
以下の人は使用しないほうがよいでしょう。
- トレーニングをまだ始めてない人
- 18歳以下の人
- ステロイドにより身長の伸びが止まる可能性が有ります。
- トレーニング・栄養について十分な知識がない人
Q6. サイクル中は、トレーニングしない日もステロイドを摂取しなければならないのですか?
サイクル中は、トレーニングをしない日もステロイドを摂取します。ステロイドが筋肉増強効果を発揮する仕組みを考えればわかることです。ステロイドはトレーニング時に効果を発揮するものではなく、トレーニングで傷ついた筋肉が超回復を起こす過程で効果を発揮するものです。「トレーニングの何分くらい前にステロイドを摂取すればよいのですか?」という質問もよくありますが、同様の理由で無意味です。トレーニングする日に摂取する量を増やしたりもしません。
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